フケ・かゆみ

Dandruff・Itching

症状

きちんと洗ってもフケが出る、頭皮がかゆいという人は、「脂漏性皮膚炎」の可能性があります。脂漏性皮膚炎とは、頭皮や髪の毛の生え際、眉毛、鼻の周囲、耳の後ろ、わきの下、胸、股間部など、皮脂の分泌が盛んな部位(脂漏部位)にできる湿疹です。患部は赤みがあり、やや黄色い湿り気のあるフケ、あるいは乾燥したうろこ状のフケが出ます。ふけが固まってカサブタのようになることもあります。ほとんどの場合かゆみはありませんが、軽いかゆみを伴う場合もあります。
新生児期から乳児期に見られる「乳児型」と、思春期以降の成人に見られる「成人型」があります。

原因

皮膚に常在しているマラセチア菌というカビ(真菌)の一種が脂漏性皮膚炎の発症に関係していると考えられています。皮脂を栄養源とするマラセチア菌が皮膚で増殖することにより、皮膚の炎症を引き起こすと考えられています。脂漏性皮膚炎は、マラセチア菌が分解した皮脂の成分による刺激や、菌に対する皮膚の反応により、湿疹反応が生じたものです。マラセチア菌が異常に増殖する原因として、環境による皮脂成分・分泌量の変化、ビタミンB群の代謝異常、入浴・洗顔の不足、ストレス、寝不足、ホルモンの乱れなどの要因が関連していると言われています。
成人型の脂漏性皮膚炎は、特に思春期以降の男性によく見られますが、皮脂の分泌を促進する男性ホルモン(アンドロゲン)の影響が関係していると考えられています。

注意点

①皮膚を清潔に保ちましょう
まずは正しい洗顔や洗髪を行って、皮脂のたまりやすい部位を清潔に保つことが大切です。正しいケアを行って、皮脂汚れをためないようにしましょう。油分を多く含む整髪剤・シャンプー・リンスの使用は控えましょう。抗真菌剤を含むシャンプー・リンス・石けんに変えるのも改善に役立つことがあります。洗髪時には爪をたてたり、皮膚をゴシゴシこすらないように注意し、泡で優しく洗うようにしましょう。当院では、患者様に頭の洗い方やシャンプーの選び方、食生活や日常生活でのアドバイスをさせていただきます。ちょっとした心がけで、頭皮の状態を健やかに保つことが出来ます。

②生活習慣を見直しましょう
睡眠不足やストレスは皮膚症状を悪化させます。十分な睡眠を心がけましょう。気分転換する時間をもうけて、ストレスをためないことも大切です。暴飲暴食や偏った食生活も、皮膚症状を悪化させます。栄養バランスの整った、規則正しい食生活を心がけましょう。

治療方法

薬物療法

脂漏性皮膚炎は、患部に炎症が起きている状態です。塗り薬によって、まずは頭皮の炎症を抑えます。一般的に炎症を抑える塗り薬(ステロイド外用薬)やカビの繁殖を抑える塗り薬(抗真菌剤)などを使用します。場合によっては飲み薬も併用し、内からの皮脂の分泌を抑える事もあります。