トレチノイン外用剤
Tretinoin
説明
トレチノインとは、ビタミンA(レチノール)の誘導体で、生理活性はビタミンAの約50-100倍です。
米国ではシワやニキビの治療薬としてFDA(アメリカ食品医薬品局)に認可されており、皮膚の若返り薬としても使用されています。
日本では認可されておりません。
トレチノインはニキビを改善することができる治療薬です。古い角質を剥がしながら、皮脂の分泌を抑えることで、ニキビを改善したり、毛穴の黒ずみ・開きを改善します。
トレチノインを処方できるのは医療機関のみです。
期待できる治療効果
毛穴の開きや黒ずみの改善
トレチノインは肌のターンオーバーを促進し、古い角質が剥がれやすくします。
それによって、毛穴の黒ずみの原因である毛穴詰まりを除去する効果があります。
また、皮脂腺の働きを抑え皮脂の分泌を抑制し、皮脂による毛穴詰まりを防止する効果があります。
またトレチノインは、コラーゲンやエラスチンの産生を増やす効果もあり、それによってたるみ毛穴など毛穴の開きの改善も可能です。
シミの改善
肌のターンオーバーが促され、皮膚細胞の分裂・増殖が促進されます。
皮膚の細胞が生まれ変わると、皮膚の深層にあるシミの原因であるメラニン色素は外に排出されます。
シワの改善
お肌のコラーゲンの増生が促進し、肌のハリを回復させ、シワを改善させる効果が期待できます。
効果を感じる期間には個人差がありますが、少なくとも3ヶ月は継続しましょう。
ニキビ・ニキビ跡の改善
ニキビの原因は、皮脂腺の分泌量が増え、毛穴の角質が厚くなり、毛穴の出口が塞がれてしまうことです。
トレチノインは、皮脂腺の機能を低下させ、皮脂の分泌を抑制し、毛穴の出口を塞いでいる角質を剥がれやすくする効果が期待できます。
また、トレチノインはニキビ跡の赤みにも有効です。ニキビ跡の赤みは、ニキビによって表皮の下で炎症を起こしていることが原因です。
トレチノインを使用すれば肌のターンオーバーが促進されるため、ニキビ跡を目立ちにくくすることができます。
- 副作用説明
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トレチノインを使用すると、以下のような症状が起こる場合があります。
- ポロポロ皮膚が剥がれる
- 発赤
トレチノインを塗布すると、ポロポロ皮膚が剥がれるようになります。
これは、トレチノインの作用で、肌のターンオーバーが早くなり、肌の古い角質が剥がれ落ちるためです。
また、肌の古い角質が剥がれ落ちることで肌が刺激を感じやすくなり、痒みや赤み、乾燥症状が起こる場合があります。
上記の症状は「レチノイド反応」と呼ばれ、多くの場合は一過性で、日にちが経つと症状が回復する場合がほとんどです。
レチノイド反応はトレチノインを塗布してから1~3日で、症状が出始めてから3週間程がピークになります。
レチノイド反応はトレチノインが効いている証拠なので、継続してトレチノインを塗布してください。
もし症状がひどい場合は、医療機関を受診しましょう。 - リスク説明
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~トレチノイン外用剤を使えない方~
妊娠中の方、授乳中の方もしくは妊娠の可能性がある方は、トレチノインはお使いいただけません。
注意点
~紫外線対策について~
治療中は日焼け止めを塗るなど、しっかりと紫外線対策をしてください。
また、乾燥症状が強いときは日中に保湿ケアをしていただくことをお勧めします。
治療までの流れ
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1診察
トレチノイン外用剤の適応があるかどうか、診査・診断を行います。
治療についての説明、副作用の説明、日常生活の注意点をお伝えします。 -
2お薬の処方
薬剤の適応のある方のみ、院内処方にて、お薬をお渡しいたします。