白斑(尋常性白斑)

Vitiligo

症状

白斑(はくはん)は、一部の皮膚が白くなってしまう病気で、メラノサイトと言う黒い色素を作る細胞に異常をきたすことで生じます。「色素異常症」の一種です。白斑が症じる原因は、他にもあります。カビによる感染症や、子供の乾燥性の湿疹である「単純性粃糠疹(はたけ)」などです。ここでは、原因が明確に特定されない、特発性の白斑である「尋常性(じんじょうせい)白斑」について説明します。 尋常性白斑は、後天性の白斑の中で最も多くみられるもので、人口の1~0.5%程度にみられます。症状の出方はさまざまであり、小さいものから広範囲に及ぶものまであります。徐々に白斑が広がることも多く、手のひら、足の裏をのぞき、全身どこにでも発症します。うつる病気ではありません。

分類
①汎発型
体の左右に広く見られるタイプで、尋常性白斑の最も多くを占めます。白斑は拡大傾向を示すことが多いです。

② 分節型
体の左右一方の皮膚分節と呼ばれる、ある神経の支配領域にのみ発症します。分節が複数になることもあります。通常、活動性がなくなると白斑の拡大は見られなくなるとされています。

③限局型
皮膚の一部に限局する白斑で、大部分が汎発型、分節型に移行します。

原因

原因としては、自己免疫によるもの(自分の中の抗体が、自分の味方であるメラノサイトを攻撃してしまい、色素がつくれなくなる)、遺伝子異常などのいくつかの仮設があります。 表皮の基底層や毛母に存在するメラノサイトが破壊されるか、機能が停止することによってメラニンをつくれなくなっている状態です。しかし、今ところ明確な原因はわかっていません。色素をつくる細胞であるメラノサイトに対する自己抗体が、メラノサイトを攻撃してしまい、色素(メラニン)を作らせないような機能障害を引き起こすことが原因ではないかと言われています。
他に、酸化ストレスによるメラニン産生の障害や、薬剤・化学物質によるメラノサイトの障害、梅毒などの感染症でも同様の反応が起こることがあります。また、遺伝に関しては、白斑になってしまう明らかな遺伝子はわかっておらず、必ずしも遺伝するものではありません。しかし、20~30%の患者さんで、家族にも尋常性白斑の方がいるため、やはり遺伝的な要因もあるのではないかと考えられています。まれに甲状腺疾患、悪性貧血、糖尿病、胃炎などに併発することがありますので、血液検査を行うことがあります。

自己免疫

自分の細胞が自分の色素を作る細胞(メラノサイト)を攻撃してしまい、色素を作れなくなってしまう状態です。

遺伝子の異常

20−30%の患者様で家族歴がある方がおられます。

注意点

尋常性白斑の原因は、自己免疫の異常(自分で自分のメラノサイトという細胞を攻撃してしまい、色素を作れなくなる)が主な原因ではないかと考えられています。よって治療方法は、異常な免疫系を調整・抑制することが必要になります。

治療方法

塗り薬

1.ステロイド外用剤
小さい白斑の場合は、数ヶ月をめどに外用を続け、効果があるかを判定します。 広範囲に白斑が出現している場合は、小さい白斑に比べてステロイドの塗り薬の効果が乏しいと言われています。

2.ビタミンD3
ビタミンD3軟膏は、一定の効果があるという報告もあります。加えて、ステロイドやタクロリムス軟こうに比べて、副作用がとても少ないことから使用されることもあります。

3.タクロリムス
ステロイドに比べて、皮膚萎縮などの副作用の出現が少ないことも利点です。妊娠中・授乳中はご使用になれません。

こんな特徴があります
  • ステロイド外用剤

  • ビタミンD3外用剤:副作用が少ない

  • タクロリムス外用剤:副作用が少ない

光線療法

ある波長の紫外線を白斑部位にあてることにより、色素再生を促そうとする治療法です。 日本皮膚科学会のガイドラインでは、紫外線療法は16歳以上の患者様では第一選択とされています。
紫外線療法で使用されるのは、UVAとUVBの2種類です。以前は、UVAを用いたPUVA(プバ)療法が広く行われていました。しかし、PUVA療法は事前に塗り薬や飲み薬を併用しなければならないこと、UVBより効果が低いことがわかったため、現在ではあまり選択されません。 PUVA療法に変わって白斑の光線療法の主体は、UVBを用いた治療法になっています。UVBは、中波長紫外線と呼ばれ、波長は280-315nmです。現在使われているUVBを用いた治療方法は、2種類あります。

<UVBを用いた治療方法>

①ナローバンドUVB
②エキシマライト(当クリニックで採用)

①ナローバンドUVB ナローバンドUVBは、名前の通りUVBの波長を狭くしたものです。UVBの波長は280-315nmですが、ナローバンドUVBは、311±2nmに限定した紫外線治療機器です。通常のUVBに比べて効果は高いとされています。
治療回数が多くかかることがあり、紫外線暴露による皮膚がんの発生リスクなどが懸念されています。患者ごとの皮膚のタイプや、1回あたりの光線量、白斑の部位によってもさまざまであり、一概に定義できないのが現状です。

②エキシマライト(当クリニックで採用あり) エキシマライトは、UVBの波長の中で、308nmに限定した紫外線治療機器です。ナローバンドUVBより効果が高いと考えられます。
しかし、紫外線をあてると言う行為は同様なため、皮膚がん発症のリスクはないとは言えません。1週間に1〜2回の照射が必要になります。痛みはありません。照射後の赤みがどれくらいの期間続くか見ていただき、ちょうど良いパワーで照射を継続していきます。 一般的に顔面は効果が出やすく、手足は効果が出にくいことが多いと言われています。色素が出てきますと、当初は濃くなりすぎて色むらが目立ちますが、徐々に馴染んできます。

こんな特徴があります
  • ナローバンドUVB療法

  • エキシマライト

液体窒素による冷凍療法

超低温(約−200℃)の液体窒素を綿棒に含ませて白斑部に当てる方法です。治療に伴う痛みがあります。水ぶくれになったりすることもあります。部位によっては多少の痕や炎症後色素沈着が残ります。1~2週間おきに通院するのが望ましいです。

飲み薬

白斑は自己免疫の異常で出現すると言われており、異常な免疫状態を是正させるためにステロイドや免疫抑制剤が使用されます。塗り薬と違い、飲み薬は全身に作用するので、副作用が出現する可能性も高くなることから、治療適応になるケースは限られます。
ステロイドの内服は、進行していく白斑には有効と言われています。

こんな特徴があります
  • ステロイド

  • 免疫抑制剤

その他 外科的治療(皮膚移植などの手術) 医療用メイク用品

白斑に対する外科的治療は、「皮膚移植」が主に行われています。まずは上記で説明した塗り薬や光線療法などの治療を1年以上しっかり行う必要があります。治療をしてもこれ以上色素が増生せず少なくとも6ヶ月以上症状が固定した場合に検討します。ケロイド体質の方はできません。このような治療を行ったにも関わらず改善せず、特に整容的に問題になる白班のみが、外科的治療の適応になるとされています。外科的治療は、実施できる施設が限られております。
その他に、医療用メイク用品を利用する方法もあります。 医療的治療をせず、白斑を隠す方法で対応する方法です。メイク(医療メイク用品もあります。)やセルフタンニング用品などを使います。特に治療により副作用が懸念される場合や早期に日常生活を支障なく過ごしたい方にはこの方法を選択します。

こんな特徴があります
  • 外科的治療(皮膚移植)

  • 医療用メイク用品

よくある質問