Qスイッチルビーレーザーは、メラニン色素などの黒い色に反応するレーザーの性質を用いて、しみ、そばかす、あざなどの色素異常症やアートメイク、刺青(タトゥー)を治療する医療用レーザーです。黒い色だけにピンポイントで反応するので、正常組織へのダメージを最小限に抑えつつ、少ない回数で効果を得ることができます。色素が深い場合は複数回の治療が必要になることがあります。
ルビーレーザー光の波長(694nm)は酸化ヘモグロビンへの吸収がとても低く、メラニンにおける吸収が高いレベルにあります。そのため、周囲の組織にダメージを与えずに、かつ傷跡を残さずにメラニン色素のみを安全に破壊して治療でき、周囲の正常な皮膚や血管を傷つけません。
レーザーを組織中のメラニン顆粒に選択的に吸収させ、熱に変換させます。周辺の組織を傷つけずに、メラニン顆粒だけを確実に破壊し、真皮内で破壊されたメラニン顆粒は粉々になり、マクロファージに貪食されることで、次第に色素が消退していきます。一部の表層の細胞は、かさぶた(痂皮)になって徐々に剥がれ落ちます。