帯状疱疹

Herpes zoster

症状

帯状疱疹とは、主に体の左右どちらかに生じる痛みやかゆみを伴う発疹です。症状としては、以下のような段階を踏んでいくことが特徴です。

  1. 体の左右どちらかに神経痛のような痛みやかゆみ、違和感が生じる
    多くの場合、皮膚症状の1週間程前に痛みやかゆみ、違和感が生じますが、皮膚症状と同時、もしくはやや遅れて生じることもあります。痛みの感覚としては、ピリピリ、ジンジン、ズキズキといった表現されることが多いです。

  2. 水ぶくれを伴う赤い発疹が現れる
    最初はわずかな盛り上がりや小さなぶつぶつが現れます。水ぶくれは、最初、小さなものが数個見られるだけですが、徐々に数を増していきます。そして、新しいものと古いものが混在し、帯状に分布します。上半身に現れることが多く、顔面や目の周りにみられることもあります。徐々に痛みも強くなり、眠れないほど痛くなることもあります。

  3. 3~4週間程度で痛みや水ぶくれが治まってくる
    水ぶくれは破れた後、かさぶたとなります。皮膚症状は3~4週間前後で治まりますが、色素沈着や傷跡が残る場合もあります。

原因

帯状疱疹の原因は、多くの人が子どもの頃に感染する水ぼうそうと同様、水痘・帯状疱疹ウイルスです。水ぼうそうが治った後も、体内にウイルスは潜んでいるため、加齢や疲労、ストレスなどによって免疫力が低下すると、帯状疱疹として発症します。一度帯状疱疹になると、ウイルスに対する免疫力が上がるため、上がるため、再発することはあまりないと言われています。ただし、高齢者や免疫力が著しく低下した方では再発する場合もあるので注意が必要です。

注意点

日常の注意点としては、可能な限り安静にすることと水ぶくれをなるべく破れないようにすることが挙げられます。
具体的には以下の通りです。

1.可能な限り安静にする
帯状疱疹は疲労やストレス低下により、免疫力が低下したときに発症します。
充分な栄養と休息をとることで、症状の改善が促進されます。そのため、栄養バランスの取れた食事と充分な睡眠に心がけましょう。

2.水ぶくれをなるべく破れないようにする
水ぶくれが破れてしまうと、感染症のリスクが高まります。また、症状が改善された後も、傷跡が残る可能性があります。可能な限り、患部に触れないようにし、水ぶくれがが破れないようにしましょう。

治療方法

抗ウイルス薬

帯状疱疹の治療方法としては、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬の投与と、痛みに対する痛み止めの投与が基本です。抗ウイルス薬は、内服や外用、点滴による投与があります。全身投与をいかに早期に出来るかが重要になってきます。 抗ウイルス薬は、水痘・帯状疱疹ウイルスが活発に増えている段階でウイルスのDNAの合成を妨げることで、ウイルスが増殖を抑える働きをします。症状が重い場合は、入院した上で抗ウイルス薬の点滴による治療が必要になる場合がありますが、症状が重度ではない場合は、内服薬の抗ウイルス薬で治療します。また、症状が軽い場合は、外用薬による治療が考えられます。 帯状疱疹の皮膚の症状が治まった後も長期間にわたって続く痛みを帯状疱疹後神経痛(PHN)といいます)。加齢とともに帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行リスクは高くなり 帯状疱疹後神経痛(PHN)によって生じる痛みは、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが知覚神経を傷つけることによって起こります。ウイルスによって傷つけられた神経の回復には時間がかかる場合があり、特に高齢者では症状も治療も長引く可能性があります。

こんな特徴があります
  • 後遺症
    帯状疱疹の合併症として、頭痛や発熱などの全身症状や、目や耳の障がいが現れることがあります 帯状疱疹の治療が遅れたり、治療しなかったりした場合には、発熱や頭痛のような全身的な症状が現れることがあります。また、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスは、神経の流れに沿って障がいをおよぼすことから、目や耳など感覚器の神経を傷つけると、視力の低下や難聴などを引き起こします。運動神経を傷つけると、腕が上がらなくなるなどの麻痺や、おしっこが出ない排尿障害などの合併症につながることもあります。

よくある質問